日進町ドヤ街火災現場

日進町ドヤ街火災現場

物件情報

昭和の時代に京浜工業地帯の中心地域として隆盛を極めた工業都市・川崎の裏の顔が、戦後に建てられた、主に日雇い労働者を相手とした簡易宿泊所が立ち並ぶ「ドヤ街」の存在で、川崎市には川崎区日進町・堤根(日進町ドヤ街)、同区貝塚・渡田向町(貝塚ドヤ街)の二ヶ所に簡易宿泊所の密集地域がある。そのうち日進町ドヤ街にある簡易宿泊所「吉田屋」「よしの」で2015年5月17日に火災が発生、二棟が全焼し入居者11人が死亡、17人が負傷するという深刻な被害状況となった。入居者の殆どが生活保護を受ける身寄りもない高齢者で、犠牲者の身元確認も難航し、全員の身元が判明したのは翌月になってからだった。この火災における出火原因は「放火」である。

この二軒の簡易宿泊所は川崎警察署の南側にぽつんと建っていたもので、いずれも昭和30年代に建てられた木造の建物となっており、建築確認申請では二階建てだったものが実際には増築され三階建てに作られていた「違法建築物」で、そのせいで火の回りが早く、多くの犠牲者を出したとされる。火災後に川崎市内の簡易宿泊所に立入検査が行われているが、49軒中の半数、24軒が建築基準法違反と断定されており、違法となる三階部分の客室を使わなくするなどの指導が行われてはいるが、費用面の問題もあって、違法建築状態が完全には無くなる兆しはない。

火災の一ヶ月前にたまたま現場前を通りがかり、当該物件の写真を収めたものが以下である。見ての通り、二軒の簡易宿泊所以外周囲一帯は民間の分譲マンションやUR「川崎日進団地」が立ち並んでいて、今となっては普通の勤め人なんかが暮らしている地域だ。

物件写真

火災前の「吉田屋」

火災前の「よしの」

火災前の「吉田屋」。コインパーキングに隣接

突然簡易宿泊所を襲った悲劇。11人死亡の現場

現場の簡易宿泊所跡地にはマンションが建つ

これが川崎の現実だ

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