かんなみ新地

戦後、尼崎市中心部に続々出現した特殊飲食街は街の風紀を乱す元凶として警察の取り締まり対象となり、昭和30(1955)年に大半の業者が郊外の神崎新地及び初島新地に集団移転する羽目になったのだが、一方で中心市街地でそのまま商売を続ける業者もあった。

その中には尼崎連続不審死事件の主犯である角田美代子被告が若い頃に仕事をしていたという蓬川沿いの特飲街というのもあったそうだが、現在までに唯一尼崎市街地で図太く残っているのが阪神出屋敷駅の北側、神田南通三丁目にある「かんなみ新地」と呼ばれる一帯だ。

ここは大阪の飛田新地のように形式張った遊郭として整備された場所でもなく、粗末な二階建てないし三階建ての棟割長屋が複数並ぶだけの小さな区域となっていて、その周囲はまるで何かの結界が張られているかのように、平地のコインパーキングで占められており、遠くからでもその異様な外観が視認できる。長屋の裏手にはエアコンの室外機がずらり、である。

玄関には表札も屋号もない、居酒屋でも一般家屋でもない奇妙なお宅が連なっているが、そこに不自然な共同便所があり、さらに路地を入った裏手の細道にも同様の家屋が密集している。

ここで何が行われているかは、いちいちこの場で説明しなくとも夜になれば分かる。尼崎は21世紀に入って20年近くが経とうとしている平成の世においても、治外法権的なエリアが残っている街なのである。

尼崎市 出屋敷

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