HAT神戸・灘の浜

物件情報

1995年1月17日に起きた阪神・淡路大震災から2018年で23年が経過しているが、神戸市の復興は本当に成されたのか、その事を考えさせられる場所が「HAT神戸」と称する再開発地区の存在。神戸製鋼所や川崎製鉄の工場が震災で被災し、その後移転した跡地を新都心として再開発、西側(中央区側)の「HAT神戸・脇の浜」と東側(灘区側)の「HAT神戸・灘の浜」に分かれているが、そのうち後者のエリアを歩くと、小奇麗な高層マンションがずらりと勢揃いする、いかにも再開発しました的な街並みが見られる。再開発地区を東西に貫く幹線道路を挟んだ北側はUR・県営・市営住宅、南側は民間分譲マンションに分かれている。

案の定、すれ違う人々はその多くが手押し車や杖を突いて歩く高齢者ばかりである。ここは23年前の震災で家を失った被災者が移り住んだ「復興住宅」であり、その住民の多くが行く宛もなく高齢化、また単身化している。「Happy Active Town」の頭文字を取ったネーミングとは裏腹に、傍目から見てこの団地の中にはハッピーもアクティブも見当たらない。しかも県営・市営住宅は兵庫県および神戸市がUR都市機構から20年の期限で借りている「借り上げ復興住宅」と呼ばれるもので、20年を過ぎるとURに返還され、住民は継続入居の基準を満たさなければ退去しなければならないものの、入居者への告知が行き渡っておらず、退去を巡るトラブルが今になって顕在化している。

幹線道路の上に架かる歩道橋も、何を凝って作ったのか足元が木材で出来ているが、海風に晒されるせいか一部の板が腐り落ちてあちこち穴が開いていて、アスファルトで補修している跡があり、見た目にも痛々しく、そして危なっかしい。果たして誰の為の再開発だったのだろうか、首を傾げたくなる光景はそこかしこにある。

神戸市にある復興住宅の高齢化率は5割を超えており、今も毎年のようにいずれかの住居棟で老人の孤独死が起きていると言われる。そして住民環境を一切無視して置かれていると思しき、コンセプト不明な極彩色のオブジェがより一層、街に違和感を与えている。

物件写真

神戸市灘区摩耶海岸通

HAT神戸・灘の浜1番館・2番館は33階建てのタワーマンション

悪趣味な極彩色のオブジェ。目がチカチカする

イマドキな街並みだが高齢者住民ばかり。活気がない

手押し車を押して歩く後期高齢者な方々が目立ちます

団地内には特養ホームも完備

見た目は一緒だがURが管理する棟と市や県が借り上げて管理する棟に分かれる

UR管理は1~3、10~13号館のみ。残りは市・県の借り上げ復興住宅

再開発地区内のお粗末な歩道橋

踏み板が腐ってあちこち補修している跡がある

阪神岩屋駅、JR灘駅から徒歩圏内。決して不便な環境ではないが…

兄弟分に「HAT神戸・脇の浜」もあるが、大体雰囲気は同じ

阪神淡路大震災から23年

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